オジサンのニオイの代名詞「加齢臭」。誰もが一度は聞いたことのあるキーワードですよね。実は加齢臭の原因には多くの因果関係があると言われています。ここでは、そのニオイについて迫ります。
加齢臭が気になりはじめるのは、一般的に40歳を過ぎてからと言われています。年を重ねると皮脂線の中のパルミトオレイン酸という脂肪酸と、活性酸素によって酸化した過酸化脂質が結びつくことによって作られる物質、ノネナールが発生します。
これがいわゆる「加齢臭」と言われるものです。男性のニオイとして注目されてしまうのは、男性のほうが女性に比べて皮脂線の活動が活発なため、ノネナールが増加しやすいのです。頭皮や首の後ろ、ひたいから鼻にかけてのいわゆるTゾーンと言われる部分などが加齢臭の発生しやすいポイントです。
口臭は体臭のなかでも、自分自身で気づくことが難しいニオイです。そのため余計にナーバスになってしまいますが、そもそも口臭の原因は何でしょうか?口臭とは吐く息によって発生する悪臭の総称です。
ニオイが発生する原因は、口内の細菌がタンパク質を分解する際に発生するもの、虫歯や歯周病、内臓、精神的なトラブルによるものなど要因はさまざまです。例えば起床時や緊張している時、空腹時など唾液の分泌が少なくなったとき。
また、歯周病や虫歯、胃のトラブルによって起こる悪臭。そして、ニンニクやニラなどニオイの強い食べ物やアルコールを飲んだときの内臓の働きで起こるニオイ。喫煙により口内に付着したタールから発生する悪臭や、精神的なストレスからくるものなどがあります。
しかしながら口内や吐く息に対し、誰もがニオイを持っているため、それが一般的なのか悪臭の範疇なのかの判断も本当は必要なのです。簡単な方法はコップに息をふきかけたときのニオイや、舌の表面に白い汚れが付いているかいないかで口臭の有無を確認することができますよ。
ワキガとはワキなどに集中している汗腺、アポクリン腺が原因にあります。この汗腺から出る汗は乳白色をしており、脂質やタンパク質が多く含まれています。この汗をワキの皮ふや腋毛に住んでいる雑菌が分解することによりワキガになってしまいます。
同じ汗でもワキガの汗は一般的な汗のニオイとは異なります。通常は汗腺のひとつ、エクリン腺の汗と一緒に流れ出る古い皮脂や角質を雑菌が分解したニオイによるものです。一方でワキガの場合はアポクリン腺から出る汗と脂質やタンパク質を雑菌が分解した際に発生します。このニオイがツーンとしたワキガ臭です。
もう1つ特徴的なのは、ワキガになる人には生まれつき臭う人と臭わない人がいるということ。原因のアポクリン腺は遺伝により生まれつき数が決まっています。仮に両親のアポクリン腺がない場合は、その子供もアポクリン腺ができることはなく、ワキガになる可能性もないということです。
ワキガは体質のため、サプリメントの力を借りるほか、根治するなら手術をすることも手段のひとつです。
ダイエットやストレスでも体臭が強くなる可能性があります。ダイエットでは急激に体重が減ったことが原因の場合があります。例えば過度なダイエットで一時的な飢餓状態に陥ると、皮下に貯蔵されている脂肪を分解させ、エネルギーとして燃やすようになります。その結果、血中の遊離脂肪酸(脂肪細胞内にたくわえられた中性脂肪が分解され、血中に放出されたもの)が著しく増加し、皮脂線や汗腺から分泌し体臭が強くなることがあります。
ストレスもまた、身体のニオイを強くする大きな原因のひとつです。特に、皮脂線からのニオイ物質の発生を増加させます。ストレスを受けると副腎から副腎皮質ホルモンや男性ホルモン、アドレナリンといったホルモンを大量に放出させますが、これらのホルモンは皮脂線の皮脂分泌をさかんにします。
これらのホルモンは皮ふの角質層の新陳代謝も活発にしますが、同時に角質も厚くするため、分泌された皮脂が皮脂線のなかでかたまり、活性酸素が発生しやすい状態になってしまいます。活性酸素は脂質を酸化させ過酸化脂質を作りだします。その脂質が酸化し、さらに活性酸素をつくりだす悪循環になります。この循環がニオイの原因物質を増加させるもととなります。